幽玄なるかな淫靡なるかな剛毅なるかな


by reddragon_samael

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一見さんお断り魔王ダマランチと勇者エンテレケイアを葬ったモゴラーニャは、柿ピーを貪りつつ、ふんぞりかえりながら凱旋しつつ帰還した。

しかし、謁見の間には、王ウサンクサダーの姿はなく、エゲレッチョ姫の肩に手をかける第三の勇者ポンポコスキーの姿があるだけだった。

うっかりポンポコスキーの怪しげな肢体にくらくらむらむらいらいらどらどらピンフタンヤオしてしまったモゴラーニャは、見事な万引きをあっさりすっぱ抜かれて現行犯逮捕される悲しいスリ並みの扱いを受けて、一般兵士モコチンに捕まってしまった。

モゴラーニャはモコチンに柿ピーを差し出したところ、

「その手は桑名の焼き蛤」

とあっけなく却下されてしまった。勇者には通じても、一般兵士には賄賂は通じないのである。

「かかったな、このポンコツ勇者め。今は外政より内政の時代よ」

ポンポコスキーの高笑いが響く中、モゴラーニャは怪力モコチンの力により、ずるずると地下牢まで引きずられてしまった。

その頃、偉大なるコスモでは、根暗戦隊ネクレンジャーの宇宙船インヴォイスパターンが、黄ばみパンツ戦隊キバミング(隊員一人)に襲撃されていた。

キバミング(隊員一人)の必殺キバミフラッシュ酵素入りがインヴォイスパターンに大打撃を与えていた。

「クソがぁぁぁぁ、キバミング(隊員一人)のキバミはなんてすごいんだ」

ネクレンジャーレッドこと白村和年は、断腸の思いで我らがチタマに不時着もしくは墜落することを決意したのである。
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by reddragon_samael | 2005-11-10 14:31 | モゴラーニャの冒険シリーズ

一昨日のハイテンション

おれは無敵王・飯山満。

おれが電車に乗り込んだときの話を聞いてくれ。

おれが電車に乗ったとき、どこかから音楽の重低音が漏れて聞こえていたんだ。

それでおれは周りにいる奴ら片っ端から、ヘッドフォンを引っぺがしてやったのさ。

そうなんだよ、どいつもこいつもヘッドフォンをしてやがるのさ。

けど、どうだい。重低音ははがしたどのヘッドフォンからも漏れてなかったんだよ。

ガッデム! まったくどいつもこいつも紛らわしいだけの囮野郎だったってえわけだ。

それでおれは散々罵られ、殴られたよ。

でも、おれはめげなかった。

周りはおれにヘッドフォンを奪われまいと、警戒しはじめるんだ。

おれがにじり寄ると、あいつらは下がり、おれが下がると、あいつらが前進する、っての繰り返し。

その間に電車は進んで、囮軍団は減っていったさ。

そして、終点の一歩手前まで来たとき、おれは確信した。

てめえが犯人か、オンナァ!

で、あいつらにやってやったみたいにヘッドフォンをひっぺがしたのさ。

すると、おれは驚いたね。なんとそいつでもなかったんだよ。

んでもって、電車は終点に着いて、

「終点、浦和、浦和」

とかなんとか抜かしてやがる。

どうなってんだ、と思ったら、あいつだよ。

車掌がヘッドフォンをつけながらムダに鼻歌を歌いながら、オレの横を通り過ぎていったんだ。

ああ、そりゃあ、重低音もばっちりだったな。

まったくマジかよ、って心の底から思ったよ。

飯山満も一本とられたね。
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by reddragon_samael | 2005-11-09 19:17 | 読切のたわ言

昨日のサスペンス

昨日のオレは急いでいた。
何せ、時計の針はすでに夜中の12時を回り、最終電車の発車時刻が刻々と迫っていたのだ。

電車がホームにすべりこんでくる。あれだ。どうにか間に合った。

疲れた身体に鞭打って、オレは混みあう車内に駆け込んだ。
ホームのアナウンスが、この電車が最終電車であることを告げていた。

しかし、オレの心に平安は訪れなかった。

どこからともなく一定のリズムで爆音が響いていたのだった。

これはいわゆる一つの、音漏れと呼ばれる現象だった。

無警戒にヘッドフォン・ステレオの音量を大きくしたばかりに、無意識のうちに周囲の人間に損害を振りまく、ありがちなはた迷惑の一つだ。

一種の習慣でオレは犯人探しを始めた。
音漏れをさせる人間というのは、皆自分は無実で何ら周りとは関係ないという、涼しい顔をしているので、その犯人探したるや、一級のどんでん返しが待っている一大エンタテインメントだと言えるだろう。

だが、その日はちょっとばかり、事情が違っていた。

まず右隣の若い男が、ヘッドフォンをしていた。

オレは、こいつが犯人か、と思う。

しかし、左隣の中年のサラリーマンもまた、ヘッドフォンをしていた。

いや、音はこっちの方から聞こえてはいない。

首を無理やり後ろに向けると、後ろのやり手そうなサラリーマンもヘッドフォンをしている。

間違いない、こいつだ。

「すいません」

男は不思議そうな顔でこちらを見て、ヘッドフォンを外すが、音はそこからはきこえてこなかった。

オレは驚くべき事実に気づき、素直に謝るしかなかった。

やり手サラリーマンの後ろのおばさん、その後ろの不良学生風の男、そのまた後ろのOL、揃いも揃ってヘッドフォンをしていたのだ。

むしろ、この混みあった車内でヘッドフォンをしていない人間は誰一人としていなかった。

電車が駅に着くたびに、ヘッドフォンをした人間が次々と降りていくものの、爆音がやむ様子はない。

オレは目の前の若い大学生風の女に声をかけた。

「すいません」

しかし、彼女ではなかった。彼女はこちらを気にしながら次の駅で降りていったのだ。

当然、まだ爆音中である。そんなバカな。

最後に残ったくたびれたサラリーマンに声をかけると、ヘッドフォンをとったくたびれ男は突然、怒声を上げた。

「何なんだね、君は!」

マジで? ただ謝るしかなかった。彼も犯人ではなかったのだ。

打ちひしがれたオレは、電車が終点に着いたのを知った。

まだ爆音は響いていた。そして爆音とともに車内アナウンスが聞こえる。

「終点、浦和、浦和です」
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by reddragon_samael | 2005-11-08 14:34 | 読切のたわ言