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ハイソをハイソサエティだと思っていたモゴラーニャは手当たり次第誰かを告訴することを検討した。
それを見破ったオロロンチョは意味ありげに口元に笑みを浮かべ、コサックダンスを踊り始めた。
その魅惑的な踊りは、妖艶なる四天王を残らずメロメロにしたが、モゴラーニャが惚れこんでしまう前に、オロロンチョの病弱な身体は音を上げてしまったのである。
オロロンチョは最期にこう言い残した。
「あのたてかべ和也にかべたてかけたのはたてかべ和也なのか……」
もう自慢の健脚はその力を失っていたのだ。
さらに残念なことに無慈悲なこと比類なき男モゴラーニャが、オロロンチョが点滴しているそばから、その薬の中に柿ピーを入れていったのだ。
そのとき、妖艶なる四天王の一人、医者のDr.フィールグッドはこう言った。
「それ以上の延命措置は不要だ」
さらに、妖艶なる四天王の一人、弁護士のMr.ゴールドマンサックスはこう言った。
「安楽死は自殺幇助罪が適用されることがあり、リスクが大きすぎる」
ついでに、妖艶なる四天王の一人、政治家のシチズン・ケーンは言った。
「われらがオロロンチョとの戦いは戦いの火蓋が切って落とされるには、なかなか時間がかかるやもしれぬ」
でもって、誰も求めてないのに、妖艶なる四天王を五天王にしようと企む男、保父の太郎乃助ノ守は、意味なく息も絶え絶えに付け加えた。
「ちょっとばかり本編に戻るには時間がかかると読者諸氏に伝えてくれたまえ」
そうモゴラーニャに頼み、勝手にドロンしてしまった。
モゴラーニャは太郎乃助ノ守の伝言はとりあえず達成されているような気がしたので、回想をやめて、目の前のネクレンジャーレッド白村和年がキバミングに対抗して、絶対に色落ちしないイカ墨スパゲッティを食べているのを眺めた。
その背後には絶対に色落ちさせる漂白酵素入り黄ばみフラッシュを会得したキバミング(隊員一人)が迫っていた。
だが、モゴラーニャは一向に進まない展開を観戦するのに飽き飽きしたので、HPの高い名前の研究に耽ることにした。
当面のランキング一位はヴォルフガングである。
それを見破ったオロロンチョは意味ありげに口元に笑みを浮かべ、コサックダンスを踊り始めた。
その魅惑的な踊りは、妖艶なる四天王を残らずメロメロにしたが、モゴラーニャが惚れこんでしまう前に、オロロンチョの病弱な身体は音を上げてしまったのである。
オロロンチョは最期にこう言い残した。
「あのたてかべ和也にかべたてかけたのはたてかべ和也なのか……」
もう自慢の健脚はその力を失っていたのだ。
さらに残念なことに無慈悲なこと比類なき男モゴラーニャが、オロロンチョが点滴しているそばから、その薬の中に柿ピーを入れていったのだ。
そのとき、妖艶なる四天王の一人、医者のDr.フィールグッドはこう言った。
「それ以上の延命措置は不要だ」
さらに、妖艶なる四天王の一人、弁護士のMr.ゴールドマンサックスはこう言った。
「安楽死は自殺幇助罪が適用されることがあり、リスクが大きすぎる」
ついでに、妖艶なる四天王の一人、政治家のシチズン・ケーンは言った。
「われらがオロロンチョとの戦いは戦いの火蓋が切って落とされるには、なかなか時間がかかるやもしれぬ」
でもって、誰も求めてないのに、妖艶なる四天王を五天王にしようと企む男、保父の太郎乃助ノ守は、意味なく息も絶え絶えに付け加えた。
「ちょっとばかり本編に戻るには時間がかかると読者諸氏に伝えてくれたまえ」
そうモゴラーニャに頼み、勝手にドロンしてしまった。
モゴラーニャは太郎乃助ノ守の伝言はとりあえず達成されているような気がしたので、回想をやめて、目の前のネクレンジャーレッド白村和年がキバミングに対抗して、絶対に色落ちしないイカ墨スパゲッティを食べているのを眺めた。
その背後には絶対に色落ちさせる漂白酵素入り黄ばみフラッシュを会得したキバミング(隊員一人)が迫っていた。
だが、モゴラーニャは一向に進まない展開を観戦するのに飽き飽きしたので、HPの高い名前の研究に耽ることにした。
当面のランキング一位はヴォルフガングである。
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by reddragon_samael
| 2006-06-23 02:26
| モゴラーニャの冒険シリーズ
その事件の発生からすでに二ヶ月ほど経過しているのだが、僕は今さら感でいっぱいになりながらも、そのことについて書かずにいられない。
その事件とは、出会いであった。
引きこもりがどうやってそんなステキな出会いをしたのだと、諸君は疑念に胸をかきむしらんばかりだと思う。
なるほど、その懐疑はもっともだ。正当なものだと言える。
では、多少なりともその疑問に答えようではないか。
素性を多少明らかにすると、僕はこの世知辛い世の中で一人暮らししているのだ。
一人暮らしの人間が引きこもろうとすれば、多少無理してでも食料品くらいは買いに出かけなければなるまい。
あるいは、飢え死にする。
空腹を満たすは、我が人生の数少ない楽しみ、どうして食事をせずにいられようか!
否、断じて否!
というわけで、食料くらいは買いに出かけるわけである。
ここで恋の話でも始まろうものなら、皆さんのヒンシュクの声が、僕の脳内総会屋を通して聞こえてくるところだが、ご安心ください。
僕は無実です。
なんせ相手は、食べ物ですからね。
食べ物といっても、ミラクルフルーツを食べて、感動したとかそういうありきたりな話ではありません(ミラクルフルーツを食べる体験がどれだけありきたりなのかという議論については、別の機会に譲ることにしましょう)。
僕の家の近くには、西〇が24時間営業というコンビニ泣かせのはりきりぶりで、おまけになかなか売り場面積があり、しかし客はさほど入っていないため、おそらく経営者も泣かせていることだろうと思うのだが、僕のような深夜徘徊自滅型生活を送る人間にとっては、信仰の対象になってもおかしくない存在なのである。
ありがとう西〇さん。
そう、その西〇で深夜に始まるパンの割引を狙い、僕は潜入作戦を開始したのです。
いつもどおり、割引されたパンを物色していたところ、僕は遭遇してしまいました。
パンを探し回っていたわけなので、もちろんそいつはパンです。
菓子パンです。
ついでに言うと、菓子パンの中でも軟弱なものではなく、硬派な部類に位置する黒糖パンです。
しかし、そいつを見た瞬間、僕の目はテンになってしまいました。

沖縄黒糖入りロシア。
沖縄黒糖入りロシア。
なーんだ、沖縄産の黒糖が入ったロシアか、はっはっは。ハ?
すごい。かつてアメリカがロシアからアラスカを買ったみたいに、我々はロシアを買えるんだね。
しかも、沖縄産の黒糖がついてくるぜ、アハハハ。
……て、んなわきゃねー。
よくよく考えると謎だらけだ。
ユーラシア大陸北部、スラブ民族の国。かつての共産国家ソビエト連邦が分解し、ロシア連邦が誕生。
それがロシア。
ロシアパンとか、そういう半端なことではない。
ロシアなのだ。
僕は個人的にはロシアについてはいい思い出がないので――それについてはいずれ書くとして、ロシアに特別な思い入れはない。
だが、何だ。この胸が躍るようなウキウキワクワクな感じは。
というわけでこの運命の出会いを踏みにじることができない僕は、頬を赤らめつつ沖縄黒糖入りロシアを買い、そそくさと帰宅したのだ。
翌日、沖縄黒糖入りロシアを食した僕は、味しないとかぶつくさ文句を言っていましたが、忘れた頃にほんのりと舌の上で主張し始める黒糖のいじらしさにもうメロメロです。
ああ、ロシア。
あれから一度も見ないけど、君のことは忘れない。まあ期間限定だったらしいし。
ロシアを食べるって何かロシア人にちょっと失礼な気もするけど、食べてうまかったんだからしょうがない。
山〇製パンさんのネーミングセンスには脱帽です。
しかし、ロシアって一体何がロシアだったんだろう。沖縄との関係性もいまいち見えてこない。南と北の邂逅。HAHAHA……
その事件とは、出会いであった。
引きこもりがどうやってそんなステキな出会いをしたのだと、諸君は疑念に胸をかきむしらんばかりだと思う。
なるほど、その懐疑はもっともだ。正当なものだと言える。
では、多少なりともその疑問に答えようではないか。
素性を多少明らかにすると、僕はこの世知辛い世の中で一人暮らししているのだ。
一人暮らしの人間が引きこもろうとすれば、多少無理してでも食料品くらいは買いに出かけなければなるまい。
あるいは、飢え死にする。
空腹を満たすは、我が人生の数少ない楽しみ、どうして食事をせずにいられようか!
否、断じて否!
というわけで、食料くらいは買いに出かけるわけである。
ここで恋の話でも始まろうものなら、皆さんのヒンシュクの声が、僕の脳内総会屋を通して聞こえてくるところだが、ご安心ください。
僕は無実です。
なんせ相手は、食べ物ですからね。
食べ物といっても、ミラクルフルーツを食べて、感動したとかそういうありきたりな話ではありません(ミラクルフルーツを食べる体験がどれだけありきたりなのかという議論については、別の機会に譲ることにしましょう)。
僕の家の近くには、西〇が24時間営業というコンビニ泣かせのはりきりぶりで、おまけになかなか売り場面積があり、しかし客はさほど入っていないため、おそらく経営者も泣かせていることだろうと思うのだが、僕のような深夜徘徊自滅型生活を送る人間にとっては、信仰の対象になってもおかしくない存在なのである。
ありがとう西〇さん。
そう、その西〇で深夜に始まるパンの割引を狙い、僕は潜入作戦を開始したのです。
いつもどおり、割引されたパンを物色していたところ、僕は遭遇してしまいました。
パンを探し回っていたわけなので、もちろんそいつはパンです。
菓子パンです。
ついでに言うと、菓子パンの中でも軟弱なものではなく、硬派な部類に位置する黒糖パンです。
しかし、そいつを見た瞬間、僕の目はテンになってしまいました。

沖縄黒糖入りロシア。
沖縄黒糖入りロシア。
なーんだ、沖縄産の黒糖が入ったロシアか、はっはっは。ハ?
すごい。かつてアメリカがロシアからアラスカを買ったみたいに、我々はロシアを買えるんだね。
しかも、沖縄産の黒糖がついてくるぜ、アハハハ。
……て、んなわきゃねー。
よくよく考えると謎だらけだ。
ユーラシア大陸北部、スラブ民族の国。かつての共産国家ソビエト連邦が分解し、ロシア連邦が誕生。
それがロシア。
ロシアパンとか、そういう半端なことではない。
ロシアなのだ。
僕は個人的にはロシアについてはいい思い出がないので――それについてはいずれ書くとして、ロシアに特別な思い入れはない。
だが、何だ。この胸が躍るようなウキウキワクワクな感じは。
というわけでこの運命の出会いを踏みにじることができない僕は、頬を赤らめつつ沖縄黒糖入りロシアを買い、そそくさと帰宅したのだ。
翌日、沖縄黒糖入りロシアを食した僕は、味しないとかぶつくさ文句を言っていましたが、忘れた頃にほんのりと舌の上で主張し始める黒糖のいじらしさにもうメロメロです。
ああ、ロシア。
あれから一度も見ないけど、君のことは忘れない。まあ期間限定だったらしいし。
ロシアを食べるって何かロシア人にちょっと失礼な気もするけど、食べてうまかったんだからしょうがない。
山〇製パンさんのネーミングセンスには脱帽です。
しかし、ロシアって一体何がロシアだったんだろう。沖縄との関係性もいまいち見えてこない。南と北の邂逅。HAHAHA……
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by reddragon_samael
| 2006-06-18 21:08
| ちょっとやんちゃなたわ言
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